「寒中見舞いってどう書けばいいの?」と悩む方は多いのではないでしょうか。
年賀状を出しそびれたとき、喪中で新年の挨拶を控えたとき、または友人への気軽な便りとして──寒中見舞いは幅広く使える冬のご挨拶です。
ただし、年賀状とは違うマナーがあるため、言葉選びや送る時期には注意が必要です。
本記事では、2025年版の最新マナーを踏まえつつ、友人向けのカジュアルな文例、年賀状が遅れた場合のフォロー文例、そして喪中の相手や自分が喪中のときに使える落ち着いた文例まで、すぐに使える文章をたっぷり紹介しています。
形式にとらわれすぎず、相手に思いが伝わる寒中見舞いを作りたい方にぴったりの内容です。
寒中見舞いとは?意味と役割
寒中見舞いは、お正月が過ぎてから立春までの間に送る特別な挨拶状です。
新年のご挨拶ができなかったときや、普段なかなか会えない相手に便りを届けたいときに活用されます。
この章では、寒中見舞いの位置づけや役割を整理しながら、どんな場面で使えるのかをわかりやすくまとめます。
年賀状との違いと利用シーン
年賀状は「新しい一年を祝う便り」であるのに対し、寒中見舞いは「冬の時期に相手を思いやる便り」という位置づけです。
例えば年賀状を送りそびれたとき、喪中で新年の挨拶を控えたとき、または友人への気軽な挨拶として使われます。
つまり、寒中見舞いは年始のフォローや特別な事情があるときの“便利な橋渡し”のような存在です。
| 種類 | 送る目的 | 送る時期 |
|---|---|---|
| 年賀状 | 新しい年を祝う | 1月1日〜1月7日頃 |
| 寒中見舞い | 冬の挨拶・フォロー | 1月8日〜2月3日頃 |
| 余寒見舞い | 立春後の便り | 2月4日〜2月末頃 |
誰に送ると喜ばれるのか
親しい友人、普段からお世話になっている知人、あるいは年賀状をやり取りしている相手に送るのが一般的です。
形式ばった印象よりも、気持ちが伝わるやさしい文章のほうが喜ばれます。
特に「返事が遅れてしまったとき」や「喪中の方へのご挨拶」など、相手を思いやる気持ちが必要な場面では大切にされる習慣です。
2025年の送付時期と「余寒見舞い」との違い
寒中見舞いは松の内が明けたあとから立春の前日までが目安です。
2025年の場合、関東では1月8日〜2月2日、関西では1月16日〜2月2日が一般的です。
立春を過ぎたら「余寒見舞い」として表現を変えて送ります。
同じ挨拶状でも、季節の区切りによって呼び方や表現を切り替えるのがマナーです。
寒中見舞いの基本マナーと書き方
寒中見舞いは、相手への思いやりを込めた挨拶状です。
ただし年賀状とは異なり、使ってはいけない表現や書き方のルールがあるので注意が必要です。
この章では、失礼のない寒中見舞いを作るための基本マナーを整理して紹介します。
頭語・賀詞を避ける理由
通常の手紙には「拝啓」「敬具」といった頭語や結語を用いますが、寒中見舞いでは省略します。
また「謹賀新年」「あけましておめでとうございます」などの賀詞も使用しません。
寒中見舞いは“季節の挨拶”であり、新年を祝うものではないためです。
| 表現 | 年賀状 | 寒中見舞い |
|---|---|---|
| 拝啓・敬具 | 使用する | 使用しない |
| 賀詞(謹賀新年など) | 使用する | 使用禁止 |
| 挨拶文 | 新年を祝う言葉 | 「寒中お見舞い申し上げます」 |
はがきの種類や文字の書き方
寒中見舞いには年賀はがきではなく、通常の郵便はがきや私製はがきを使います。
文字は縦書きが一般的ですが、横書きでも失礼にはあたりません。
数字は漢数字を使うとより丁寧な印象になります。
基本構成(挨拶→気遣い→近況→締め→日付)
文面はシンプルにまとめるのが基本です。
一般的には次の流れで書くと自然になります。
- 挨拶文:「寒中お見舞い申し上げます」
- 相手への気遣い:「寒さの折、いかがお過ごしでしょうか」
- 自分の近況やお礼:「年始は穏やかに過ごしました」「ご丁寧なご挨拶をいただきありがとうございます」
- 締めの言葉:「どうぞお体を大切になさってください」
- 日付と差出人名
「気持ちが伝われば十分」という柔らかい姿勢で書くと、より温かみのある寒中見舞いになります。
友人に送る寒中見舞い文例集
親しい友人に送る寒中見舞いは、堅苦しくせずに気持ちを伝えるのがポイントです。
短い文章でも、ちょっとした気遣いや近況を添えるとグッと自然な印象になります。
ここでは「短文」「カジュアル」「フルバージョン」の3タイプを紹介します。
カジュアルに気遣いを伝える短文例
友人向けには数行で気軽に書いても十分です。
相手の様子を尋ねながら、自分の近況も少し入れると親しみが伝わります。
| タイプ | 文例 |
|---|---|
| 短め | 寒中お見舞い申し上げます。
寒さが続いていますが、元気にしていますか。 こちらは変わらず過ごしています。 また会える日を楽しみにしています。 |
| 一言添える | 寒中お見舞い申し上げます。
最近はどうしていますか。 春になったら一緒に出かけましょう。 |
近況を添えるカジュアル長文例(フルバージョン)
普段からやりとりしている友人には、近況を交えた少し長めの文章もおすすめです。
相手への気遣い+自分の近況+また会う約束を盛り込むと自然に仕上がります。
文例(フルバージョン)
寒中お見舞い申し上げます。
年が明けてからあっという間に日々が過ぎていきますが、お変わりなくお過ごしでしょうか。
私は年末年始も普段と変わらず過ごしており、元気にしています。
春になったらまた一緒に集まりたいですね。
そのときを楽しみにしています。
まだ寒い日が続きますが、どうぞ穏やかな毎日をお過ごしください。
年賀状をいただいた友人へのお礼を兼ねた例文
年賀状をいただいたのに返事が遅れてしまった場合、寒中見舞いでフォローできます。
お礼とお詫びを両方入れるのが大切です。
| 状況 | 文例 |
|---|---|
| お礼+お詫び | 寒中お見舞い申し上げます。
年賀状をいただきありがとうございました。 ご挨拶が遅れてしまい申し訳ありません。 本年もどうぞよろしくお願いいたします。 |
| 友人らしい柔らかさ | 寒中お見舞い申し上げます。
新年のご挨拶が遅れてしまいました。 いつも気にかけてくれてありがとう。 またゆっくり話せるのを楽しみにしています。 |
年賀状を出し忘れたときの寒中見舞い
うっかり年賀状を出しそびれてしまったときには、寒中見舞いでフォローするのが一般的です。
お詫びの言葉を添えることで、相手に誠意が伝わります。
ここでは「短文」「フォーマル」「フルバージョン」の文例を紹介します。
お詫びを伝える短文例
できるだけシンプルに謝意を伝えるのも良い方法です。
| タイプ | 文例 |
|---|---|
| 簡潔にまとめる | 寒中お見舞い申し上げます。
新年のご挨拶が遅れてしまい、申し訳ありません。 本年もよろしくお願いいたします。 |
| 一言添える | 寒中お見舞い申し上げます。
ご丁寧な年賀状をいただき、ありがとうございました。 お返事が遅れてしまい失礼いたしました。 |
フォーマルにまとめる文例
少しかしこまった相手や、ビジネス関係の方に向けて使える例文です。
文例(フォーマル)
寒中お見舞い申し上げます。
先日はご丁寧なお年賀状を賜りながら、ご挨拶が遅れましたことを深くお詫び申し上げます。
寒さの続く折、どうぞご自愛のうえ穏やかな日々をお過ごしください。
本年も変わらぬご厚誼のほど、よろしくお願い申し上げます。
丁寧なフルバージョン例文(そのまま使える長文)
親しい相手にも改まった相手にも使える、長めでバランスの良い文章です。
お詫び+感謝+気遣い+今後への一言を入れると、誠意がより伝わります。
文例(フルバージョン)
寒中お見舞い申し上げます。
このたびはご丁寧なお年賀状をいただきながら、ご挨拶が遅れてしまいましたことを心よりお詫び申し上げます。
新しい年が始まりましたが、皆さまにとって良き日々が続きますよう願っております。
寒さはしばらく続きますので、どうぞお体を大切になさってください。
本年も変わらぬお付き合いのほど、よろしくお願い申し上げます。
喪中に送る寒中見舞いの文例集
喪中の場合、年賀状は控えるのが一般的ですが、寒中見舞いなら相手を思いやる気持ちを伝えることができます。
ただし表現には注意が必要で、華やかな言葉や祝いの言葉は避けるのがマナーです。
ここでは「喪中の相手へ送る」「自分が喪中のときに送る」「誤って年賀状を出してしまった場合」の3つのケースに分けて紹介します。
喪中の相手へ送る例文(短文・長文)
喪中の方には、慰めと気遣いの気持ちを中心にした文章が望まれます。
| タイプ | 文例 |
|---|---|
| 短文 | 寒中お見舞い申し上げます。
ご服喪中とのことと存じます。 寒さ厳しき折、どうぞお体を大切になさってください。 |
| 長文 | 寒中お見舞い申し上げます。
ご服喪中につき、年始のご挨拶を控えさせていただきました。 ご家族を亡くされ、ご心痛のほどいかばかりかと拝察いたします。 まだまだ寒い日が続きますので、どうかご自愛くださいませ。 |
自分が喪中のときに出すフルバージョン文例
自分が喪中の場合、寒中見舞いは「年始のご挨拶を控えたことへのお詫び」と「今後のご厚誼をお願いする言葉」を入れるのが基本です。
文例(フルバージョン)
寒中お見舞い申し上げます。
昨年〇〇が逝去いたしましたため、年末年始のご挨拶を控えさせていただきました。
改めて本年もよろしくお願い申し上げます。
寒さの続く折ではございますが、皆さまに穏やかな日々が訪れますようお祈り申し上げます。
喪中相手に誤って年賀状を出してしまったときのフォロー例文
相手が喪中と知らずに年賀状を出してしまった場合、寒中見舞いで丁寧にお詫びをするのが良い対応です。
お悔やみ+お詫び+気遣いを忘れずに盛り込みましょう。
文例
寒中お見舞い申し上げます。
このたびはご服喪中と存じ上げず、年始のご挨拶を差し上げましたことをお詫び申し上げます。
ご家族を亡くされましたこと、心よりお悔やみ申し上げます。
寒さはまだ続きますので、どうかお体を大切にお過ごしくださいませ。
まとめ|寒中見舞いで大切な気持ちを届けよう
寒中見舞いは、冬の時期に相手を思いやる気持ちを伝える大切な挨拶状です。
年賀状を出し忘れたときや、喪中の方へのご挨拶にも活用できるため、知っておくと便利です。
「気持ちを伝える」ことを第一にすれば、形式ばかりを気にせずに心温まる一枚になります。
| シーン | ポイント |
|---|---|
| 友人に送る | カジュアルに近況を添えると自然 |
| 年賀状を出し忘れた | お詫び+お礼+気遣いをセットで伝える |
| 喪中の相手に送る | 華やかな表現を避け、落ち着いた文章に |
ちょっとした一言でも、相手にとっては心の温まる便りになります。
この冬はぜひ寒中見舞いを使って、大切な人とのつながりを深めてみてください。


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